多くの輸入艇は、デッキフィルまたはフィラーパイプと呼ばれる燃料や清水の給水口がある。
このデッキフィルと呼ばれるハードウエアーは、エンジンフードなどを開くことなく、かつ、上を歩いてもつまずかないようにデッキ面に対してサーフェイス処理されている。
このパーツの材質は、クローム仕上プロンズ製が最も多く、その次にステンレス製、クローム仕上ジンク製が多いようだ。
例えば輸入艇のベイライナーやシーレイのデッキフィルに使用されている物で考えてみよう。
用途は大きく分けて3種類が挙げられる。
第一番目は「GAS」と刻印されているタイプで、主にガソリンまたは軽油を給油するパイプラインだ。
第二番目に挙げられるのが、「WATER」と刻印されているタイプで、ギャレーやシャワー用の清水を給水する給水口だ。
ちなみにプレジャーボートのトイレの水は、直接海水を取り込んでいるタイプが多いので、清水を使うことはまずない。
第三番目は、「WASTE」と刻印されている物で、日本のマリーナではほとんど使用しないデッキフィルだ。
このデッキフィルは、トイレの水の清水タンクと勘違いして給水してしまう人もいるようだが、それはすぐに止めた方がよい。
なぜならば、「WASTE」とは、トイレの汚水タイクに連結しているデッキフィルで、本来は、このデッキフィルにマリーナのバキュームホースを差し込み「汚水を汲み上げる」「汚水をポンプで送り出す」ためのデッキフィルだからだ。
日本では、まだプレジャーボートの環境法が整備されていないので、マリーナ内であっても汚水をボート外部に排出してしまうようだが、米国では、法律で「たれ流し」を規制しているので、一旦、汚水タンクに溜めておき、後でマリーナで処理してもらう方法が一般的だ。
米国で生産されたプレジャーボートは、このシステムにより、「HOLDING TANK」と呼ばれる汚水タンクが標準装備されている。
これらのデッキフィルは、プレートキーという特殊な工具を使用して開閉することができる。
このキーは、ほとんどのデッキフィルに共通していて材質などを特に問わない。
キーホルダータイプや万能型プレートキーがある。
おすすめは、デイビス社のユニバーサルデッキプレートキーというところだ。
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